2008年11月27日木曜日

おくりびと

こちらに来て始めて映画を見た。
スカラ座といって昔からある映画館らしい。今は東京と同じようにいくつかの映画をやっている。こちらに来て映画にはまったく興味がなかったがあるブログで紹介されていたので見てしまった。

役者の紹介はパスとして「納棺師」と言う職業があるとは知らなかった。葬儀屋がただ棺に納めるだけのことかなと思ったがそうでもないらしい。そういえばおばあちゃんが亡くなった時、男の人たちが何人かで盥で体を洗っていたのを思い出した。あれもお湯から水を足して行くやり方でなく、水からお湯を足していく逆さ水というやり方でやるそうだ。それと一茶だったか「盥から盥にちんぷんかんぷん」という言葉を思い出す。もう盥なんてないだろうから現在は死語になっているのではないだろうか。

かつてはもう死んだ体だからとその遺体は物体でしかない。そんな認識しかなかったような気がする。優しさがないといえば優しさがない。しかし映画を見てその認識を改めさせられた。棺に納めて焼くだけの間のことと言ってしまいばそれまでだが、地上の最後を親族だけの中で丁寧に扱って行く様は豪華な葬儀と違った重みがある。人をどのように扱うべきかを示しているような気がする。

死人を甦らせたイエス様はその家族の悲しみを良く知っていたから出来たのかなと思った。短絡的に福音は語るべきでないのかもしれない。U師も福音は今はそのように語る時代ではないと言っているがどうなのだろう。人は一度死ぬことと死後裁きが待っていると言う裁きはいかようのものか。