2008年10月8日水曜日

ヤクーバとライオン Ⅰ

 柳田邦男訳の「ヤクーバとライオン」の絵本を予約していたがようやく借りることが出来た。数分で読み終える短い物語だがⅠとⅡがあって、それぞれ「勇気」と「信頼」という副題が付いている。Ⅰはヤクーバという少年が大人になるためにライオン狩に行く、そこで出会ったライオンは夜通し手ごわい敵と戦い力尽き果てていた。ライオンは云う。

 「お前には二つも道がある。わしを殺せば、立派な男になったと云われだろう。それは、ほんとうのめいよなのか。もう一つの道は、殺さないことだ。そうすれば、お前は本当に気高い心を持った人間なれる。だが、そのときは、なかまはずれにされるだろう。どちらの道をえらぶか、それはおまえが考えることだ。夜が明けるまで時間はある。」彼はくるりと向きを変えて帰っていくのである。真の勇気とはこういうものであるといいたかったのだろう。

 イエスさまが然りであり、真のキリスト者のとるべき態度も然りだと思う。10月号の「十字架の言」誌の8月17日の週報に載せた「召命、主権の交代」には自己に死に自分をキリストに明け渡す必要を書かれていた。信仰も聖書の研究も自己充足の為ではなく、イエスさまを良く知り、我がうちに主権の交代がなされる為なのだ。人の前にどうであるかではなく神の前にどうであるかが大切なのである。柳田氏が感銘を受けて訳したものだけはある。