2009年9月18日金曜日

読む本

 最近読む本はHPに載っているの見て興味あるのを買ったり、図書館で借りて読んでいる。アマゾンだと古本でも買う事ができるからほしくて安かったら買ったりしている。

 昨日東野圭吾の『手紙」を図書館から借りてきて一気に読んだ。解説に「強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟、直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く・・・。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人の弟」という運命が立ちはだかる。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き、感動を呼んだ不朽の名作。』と書かれている。

 貧しさがこれほど重く、せつないものであるかを思い知らされる。どこかダブるところがあるからだろうか。貧しさゆえに兄は人を殺し、強盗殺人犯の弟であるが故につらく苦しい人生を歩まなければならない。そんな兄との関係を断ち切って、新しい人生を歩もうとするがそれができない事を最後の最後で匂わせて弟の葛藤が伝わってくるようだ。一言でいえば理不尽であり、それが社会の常識になっているのも事実である。小説の故に甘さも希望もあるような気がする。

 以前から思っていた。人生において、私たちの努力は微々たるものではないだろうか。多くのものは備えられていて、その上に少々の努力があるような気がする。「殺人犯の弟」いう備えられ方もある。しかし弟の周りには善意の人たちがいて、彼を支えてくれている。「人は一人」では生きていけないのである。たとえ過酷な運命が待っていてもその周りに善意の人は必ずる。イエス様は言う「立って歩きなさい」と。