2010年2月25日木曜日

久しぶりに

 何時だったか本屋に寄ったときに、そこの本屋のベストテンコーナーがあって、その中の二番目か三番目に 「神様のカルテ」という本あった。パラパラとめくって面白そうなので図書館に予約していたのを昨日借りてきて一気に読んだ。第10回小学館文庫小説賞の受賞作品である。舞台が松本にある総合病院で働いている若い医師。松本城近辺が書かれていたり、著者も医師だったりするとフィクションと分かっていてもどこか現実味を感じる。

 看護師や同僚の医師の描写、死を前にしている患者の姿とその医療に対する有り方、医者としての一つの理想というかこう有ったらなぁとの思いがあったのだろう。同僚や患者さんとの言葉のやり取りとその機微を読んでいると若いときに読んでいた小説を思い出した。信頼関係にある人との言葉のやりとりはどんな言葉でも通じるものであることを教えているようだ。今はそんなことを見ることは少なくなった。ゆとりがなくなったのだろう。キリスト者の中でもそれを感じる時があるから何となく寂しい。