2011年3月25日金曜日

使命感

昨日だったか、TVのレポーターが娘さんを亡くされたご夫婦をレポートされていた。亡くなれた現場なのだろうか二人で歩きながら、奥さんが「もう一度見せてくれます」と言われた。そしてTVモニターがアップして映像とともに流れてきたのは防災無線で「津波がきます急いで避難して下さい」と(記憶しているが)、繰り返す女性の声だった。この女性がご夫婦の娘さんだった。


インターネットで検索したら、『「早く逃げてください」--。街全体が津波にのみ込まれ約1万7000人の人口のうち、約1万人の安否が分からなくなっている宮城県南三陸町は、町役場が跡形もなくなるなど壊滅した。多くの町職員や警察官、消防職員が行方不明となったが、その中に津波に襲われるまで防災無線放送で住民に避難を呼びかけた女性職員、「娘は最後まで声を振り絞ったと思う」。同町の遠藤美恵子さん(53)は、避難先の県志津川高校で涙を浮かべた。娘の未希(みき)さん(25)は町危機管理課職員。地震後も役場別館の防災対策庁舎(3階建て)に残り、無線放送を続けた。』(毎日JPより)。


「娘の声で逃げて助かったが娘が・・・」と言いながら目頭を押さえていた。ご主人は穏やかな顔で、仕事に徹した娘を思い浮かべて、娘さんの避けられない現実を受け止めているようだった。どこかにいのちをかけた姿に誇りをもたれたのではないだろうか。それでもご夫婦のつらさが伝わってくる。


原発の現場の方たちもいのちを覚悟しているのではないだろうか。もう愛社精神とか滅私奉公なんて言葉は死語になった。実際はどうであるか分からないが、愛社精神はなくても住民のために自分たちがやらなければと思っておられるのではないだろうか。協力会社の社員も大勢いるだろうが思いは同じだろう。何かあった時のケアは格段に違うだろうに。自己中の世の中に、いのちをかけて他者のいのちのためにという精神は生きている。このようないのちをかけた方たちがいることを忘れないようにしたい。そして、このような人たちがいることを誇りに思う。屈折した人間の視点から・・・。