2011年9月29日木曜日

イエスの御名で 

ナーウェンの著作で薄い本である。読みやすく、わかりやすい本でもある。しかし、現実には難しい本である。だから何回も読んでいるが身につかない。牧師や司祭を対象に「来るべき世紀におけるクリスチャン・リーダーシップについて」の講演会を本にされたようである。対象が牧師や司祭であるから、私は埒外だけど、クリスチャンとしてのあり方は、共通するものがあると思っている。最近読んで、既に線を引いてあるが「痛みに満ちた長い教会の歴史は、神の民が、ときに愛よりは権力を、十字架よりは支配(コントロール)を、導かれる者よりは導く者になろうとする誘惑にさらされた歴史だといえます」(p81)。

少し前に書いた教会に対する疑問がこれで少しわかったような気がした。そして今も続いているだろうし、これからも続くのだろうなと思う。批判する事は簡単だが一つの流れの中に、それに抗うようにして生きる難しさはいつの時代でもある。これは別に教会の中だけでなく、この地上の営みの中にも見られる事である。原発はコントロールできないという意味では恐ろしいものであっても「パン」の力の前に人は膝まずいてしまう現実がある。彼らを責める事はできない。むしろそのようにしていった者たちの責任は大きいだろうなと思う。