2012年5月21日月曜日

生き物に学ぶ

何時ごろだったか忘れたがTVでシャープの新しい扇風機をレポートしていた。従来の羽根と違ってこの扇風機は羽根に特徴がある。設計者の方がこの羽根のヒントを"アサギマダラ蝶"の羽の形状を模した羽根を採用している。ムラを抑えて広がりがあり、かつ滑らかな風を生み出すことができるよう改良されているのが特徴だそうだ。

同じシャープで発売している掃除機の「EC-WX300」も、ネコの舌をヒントにした細工が施されているそうだ。「ネコの舌はギザギザがたくさんついており,これが自分の体を舐めるときにブラシの変わりとなり、抜け毛を集めるようになっている。そういえばネコはよく自分の体を舐めているのを見かける。これをヒントに、ゴミを小さく圧縮することが出来き、ゴミを捨てたときもゴミが飛び散らないので、周りを汚す心配がない」。ということらしい。


自然の生き物をヒントに製品化しているものがモットあるようなので調べたら「ヤモリの指から不思議なテープ」という本を図書館から借りて読んでいる。


痛くない注射のヒントは蚊で、蚊の針が不思議な構造になっているのに驚く、これはどこかのTVでやっていた。ベンツが商品化はされなかったがバイオニックカー(生物に学んだ車)として試作車を作ったのはハコフグをヒントに作った。強度的にも空気の流れにおいてもいいそうだ。新幹線のパンダグラフはふくろうの羽からヒントを得て、電車の先頭部はカワセミのくちばしがヒントで、設計者の仲津英治さんのことばとして、


「このプロジェクトに取り組み始めた時、私は、『これは空気との戦いだ!』と奮起しました。けれど、フクロウの羽にヒントを貰ったり、カワセミの飛び込みに感心したりするうちに、その考えは変わりました。自然は勝負する相手ではなく、自然から学ばせてもらうことが解決につながることが分かってきたのです。」


自然を征服するのではなく学ぶ、人が失ってきたものではないのかなと思わされる。「長い時をかけて進化した」のことばに賛成できないが、しかし学ぶというのは謙虚でなければできない。人が失ったもののひとつでもあるような気がする。獰猛な動物でもお腹がいっぱいになればもうそれ以上に餌としての動物を追いかけないと聞く、動物はその辺のところを弁えているが人はその弁えがない。
前にも書いたが自主的、主体的に生きるということはいいように見えるがこれが曲者である。植物を相手にしていると主体的ではなく客体的に相手に合わせて生きなければならない。これも難しいことだ。



gen 1:11
神が、「地は植物、種を生じる草、種類にしたがって、その中に種のある実を結ぶ果樹を地の上に芽生えさせよ。」と仰せられると、そのようになった。