2012年9月15日土曜日

シューマンプラン

「シューマン宣言(シューマンせんげん)とは、1950年5月9日にフランス外相ロベール・シューマンがフランスと西ドイツの石炭・鉄鋼産業を共同管理することをまとめた声明。ジャン・モネの提唱の影響を受け、この宣言の目的は、フランス、西ドイツ、ベネルクスの各国が戦略上の資源を共有し、相互での紛争の火種を除去し、ヨーロッパの永続的な安定をもたらすことである。シューマン宣言を基礎として、1951年に欧州諸共同体のなかの最初の共同体で、のちの欧州連合につながっていく欧州石炭鉄鋼共同体が創設された。」(ウィキペディアより)


伴武澄氏の萬晩報の「EUの基礎をつくったシューマン・プラン」より抜粋では、

シューマン外相の爆弾的提案

 一九五〇年五月九日、西ヨーロッパ連邦議会の外相会議の席上で、シューマン外相は次のように提議した。「フランスはドイツにおけるその勢力圏の石炭と鉄との管理を、すべて投げ出して、超国家機関に託し、ドイツと握手し、ザールの石炭、ローレンの鉄を共同経営に移す用意がある――」と。このシューマン提案は世界を驚かした。一ばん驚いたのはフランスそのものであった。ドイツの復興を最も警戒しつゞけて来たフランスが、他国にさきがけてドイツと仲直りをし、その復興を助けようというのだから、驚くのが当然である。イギリスも驚いた。石炭は国有となし、鉄も国家管理に移すことに議決しているイギリスとしては、ドイツが、鉄と石炭とを手に入れて、イギリスの競争相手となることは由々しい一大事だからである。

今、尖閣、竹島、そして北方領土と話題になっている。国同士の争いに発展しなければと誰もが憂慮していることであるがサルも然りである。各国のナショナリズムがどのように展開していくか不安である。世界が一つとなっていく中で自国の営利を強引に追求することは赦されないであろう。エゴに近いナショナリズムが台頭してくるのか退けられていくのか各国民のナショナリズムと国の指導者の資質が問われていくような気がする。低俗なナショナリズムが戦争へと駆り立てて行ったのではないだろうか。

そういう意味でシューマン外相はすごいなと思う。利害ではなく理念がなければできないことだろうと思う。キリスト者として色々批判する人もいるが賀川豊彦のような国際人を今必要とされているのではないだろうか。低俗なナショナリズムが台頭しそうな今日、共に利益を受けるグローバルな発想が必要とされているような気がする。