2012年12月22日土曜日

本質的には 冷めた目で

昔、風変わりな牧師の書いた本の中にこんなことが載っていた。

 『むかし、かの有名なる河上肇博士が京大教授として講義をしておられる当時、近衛公や有馬子などがその門下に集まった。
 彼らのあるものは休暇を利用して炭鉱に入り、抗夫たちと起居をともにして体験したいと思った。
 そのとき抗夫の一人が、「あなたがたはもうやめてお帰りなさい。なるほど肉体的体験はできますが、精神的な体験はできません。僕ら抗夫は寂しさやその心細さは、心の不安にあるのです。一朝ケガをした場合、もしくは不況のため首をきられ、職を失い。生活の道に迷うとき、妻子を連れて、この山を下り流浪の旅を続けなければならぬのです。
 こういった不安が僕らの悲劇の中心なのです。あなた方のように、疲れても、病気しても、帰れば若殿さまがお帰りになったのだと、将軍の凱旋のように迎えられるのとは雲泥の差なのだから、体験などとは思いもよらないのだ」と忠告されて山を下ったという話を聞いて、首肯されたのである。」

今度首相になる方は色々と頑張っておられるようだ。高揚感がテレビの画面から伝わってくる。お陰でちょっと勇み足的なことも散見される。現政権のような無様なことはなさらないと肝に銘じて頑張ろうとしておられるのだろう。現政権もそれなりの意義はあったと思うがなんかままごと内閣みたいで理想と現実の乖離が大きすぎた。

今度首相になる方も元首相で引退せざるをえなかった方も超お坊ちゃまである。元さんは下々のことは分からなかったようである。今度の方もそこまではと思うがでも近いかなと思ったりもしている。下々の為にとは言わないが底辺を徘徊している者としてはそんな方が政ができるのかなぁと思ってしまう。地元のテレビで水戸黄門を見ている所為か黄門様が代官や殿様に庶民の暮らしを分からなくては政はできないそんな台詞を思い出す。順調に物事が進んでくれればいいのだが(本心から)でもお坊ちゃまは墓穴を掘りそう(別に期待しているわけではない)。隣の国の新しい大統領になる方のコメントは短いが重みがあるし地についているように見受けるがどうだろう。

戦争をしたい方も出てきたが自分は痛い目にあうわけじゃないから好きなことが云える。人を一銭五厘の価値しかないと思っているのだろう。小国を相手に何度も裏切られながら武力をもってではなく忍耐をもって対処している大国の姿をみていると爪の垢を煎じて飲ませた上げたい。何よりも息子の当選が気になっておられる方だろうから「この国を」なんて言うことは説得力は無い。