2012年12月28日金曜日

「海嶺」を読んで

出版されて30年も経っている「海嶺」という三浦綾子さんの本を図書館で借りて読んでいる。81年に朝日新聞から出版され、89年に新装版として主婦の友社から出版されているのを借りている。古いのと本が厚い(550ページ)所為か装丁はヨレヨレである。

和訳聖書を最初に出版されたギュツラフ、その手助けをした三人の日本人に興味を持ったので読み始めたがそれには少ししかふれられていない。これに関しては「にっぽん音吉漂流記」なるものがあることを知ったので年明けに借りて読んでみようと思っている。

ノンフィクションといっても史実に忠実とは云えない。フィクションの部分もあることを作者は後記で書いている。作者の情感が伝わってくるとその分読みやすいがフィクションが出るから何となく殺がれる。小説としてではなく史実として読みたいと思うとつまらなくなる。三浦綾子はプロテスタントのクリスチャン、読んでいて信仰が逆にそれを殺いでいるのかなと思った。カトリック信者の遠藤周作が「銃と十字架」でのペテロ岐部を取り上げているのをみても同じことを感じた。そしてサル自身もキリスト者であることがそう感じさせるのかもしれない。