2016年4月12日火曜日

今月のみことばより

今月のみことば

あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、キリストの貧しさによって富む者となるためです。」(コリント人への手紙第二8章9節)

 イラク・イラン戦争の真っただ中の1985年、イラク大統領サダム・フセインは、「今から48時間後にイランの上空を飛ぶすべての飛行機を撃ち落とす」と宣言した。各国民が大急ぎで脱出する中、265人の日本人だけが取り残された。政府も日航も予想もしない危機的状態に手をこまねくばかりであった。◆万事休す――だれもがそう思った時、何とトルコ政府はトルコ航空の飛行機を日本人のために提供し、自国民は陸路で避難させたのである。◆なぜここまでしてトルコが日本を助けてくれたのか、その理由はそれより95年前に起きた海難事故にあった。明治23年9月、オスマン・トルコ帝国の軍艦エルトゥールル号は、日本から帰国の途についた時、和歌山沖で激しい暴風雨に巻き込まれた。座礁し、機関が爆発して600名近い乗組員が命を落とすという大事故に見舞われた。しかし、この事故を知った近くの漁民たちが必死に生存者の世話をしたおかげで69名が助かり、翌年、無事に祖国に帰還を果たした、という出来事である。トルコが今も親日で有名なのはこの事件が大きく関係している。◆今は串本町となったその貧しい漁民が何の見返りも求めずに乏しい食糧もすべて差し出して必死に遭難者を救助したことが、100年を超える両国の絆となっていることに感動を覚えずにはいられない。◆私たちもまた、神との親しい関係に入れていただいたのは、神の御子キリストが、その栄光の富を惜しみなく私たちに与えて、自らは貧しくなってくださったおかげである。(長野キリスト集会4月号月報より)