2016年6月23日木曜日

明治のキリスト者

先日注文していたDVDが今日届いた。「筆子その愛」、「大地の詩(うた)」で二つとも東京で観ている。その時は「石井のお父さんありがとう」のDVDがあったので買ったがこの二つのDVD化は聞いたら予定なしとのことだった。もう五年も前の話である。偶々ネットで他を物と調べていたらDVDになっているのを知って注文した次第である。いつか集会で観たいとの思いはあるが1時間ちょっとだからすぐは無理、個人用であるから精々このくらいのところでしかできない。

明治のキリスト者といえば一般の人たちにも知られている朝ドラのモデルにもなった実業家であり、日本女子大学校の創立に参与された広岡浅子、同じく新島八重の夫であり、同志社大学の創立者新島襄、自由学園の創立者であり、「家庭の友」後の婦人の友の創刊者である羽仁もと子、津田塾大学の創立者津田梅子、国際連盟事務次長を務め、初代東京女子大の学長でもあり、五千円札の肖像にもなった新渡戸稲造、作家の徳富蘆花、救世軍の山室軍平、無教会の内村鑑三等々私のようなものでも知っている明治のキリスト者はこれだけいる。

それに加えて、それぞれの専門分野で先駆者的な働きをされた多くのキリスト者がおられる。山室軍平と救世軍は廃娼運動ではいのちがけの働きをされていた。最初に記した三人も「石井のお父さんありがとう」は日本で最初の孤児園を創られた岡山孤児園の創立者石井十次で、多い時には千人からの孤児が居たそうだ。ブラザレンのジョージ。ミューラーはイギリスで孤児園を創られて多い時には三千人からの孤児を養ったようである。そして経済的面は祈りによって賄ったそうだ。祈りの見本?のような人でもあり、石井十次に大きな影響を与えた人でもある。「大地の詩」は非行少年を引き取り更生する感化院を作り後の過程学校の創立者留岡幸助牧師である。今、家庭学校は北海道にあるが杉並区高井戸に養護施設があるがその流れの中にある施設である。彼は北海道の空知集冶監(監獄)の教誨師にもなっているので刑に服し出所した人たちの免囚事業の働きもしたようである。霊南坂教会留岡幸助から受洗した本間俊平は秋吉台で大理石を掘っている時に出所した人たちを雇っていた。多分留岡幸助の影響を受けての働きであろうと思われる。彼は大理石を掘るだけでなく、そのような働きと講演を全国的にやっていた。最後の「筆子その愛」は、石井筆子は夫亮一と日本最初の知的障碍者の施設滝乃川学園を創立した人である。

日本が欧米列強に伍していこうとするならばエコノミーが最優先される。そのいい例が足尾鉱毒事件の田中正三の働きである。そのような中にエコノミーではなく、人に目を向けたことは驚異に値する。「人のいのちは地球より重い」と言われた某国の首相は、それをどれだけ認識していたかは定かではないが聖書はものではなく人のいのちに目を向ける。聖書に触れた人が弱者に目が行くのだろう。「すべての人は神の前に」との問いに答えるのである。それが宣教となり、労働となるのである。

これを制作した現代プロダクションはユニークなプロダクションで社会派映画を作っている。以前には「死線を越えて~賀川豊彦物語」を作っていた。DVDになっている日本のアニメの他、「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」がある。これから三浦綾子原作「母」小林多喜二の母の物語を製作中で、山室軍平を取り上げて製作するようでもある。それとすごいなぁと思うのは「石井のお父さん…」は松平健主演、永作博美、辰巳卓郎、竹下景子が出演しており、「大地の詩」は村上弘明・工藤夕貴主演、加藤剛も出演している。「筆子その愛」では常盤貴子・市川笑也主演でどちらも有名な脇枠が大勢出演している。「望郷…」は内藤剛志主演となっている。これはプロダクションの社長?でもあり、監督の山田火砂子氏のお力が大きいのではと思ったりもしている。それにちょっと小太りの足が悪いの克江を持って歩かなければならない人なのにあの情熱はどこからと思ってしまう。それと「大地の詩」のモデル留岡幸助は写真を見るとごっつい顔であるが映画くらいは男前をと言われたのには苦笑いをしてしまった。村上弘明ではミスキャストかと男前の村上弘明を見て内心思った。